南九イリョーまるわかり- 郷土料理のレシピを守る -
郷土料理レシピも一作の宝
「割烹 一作」のレシピには隠れた秘密があります。それは料理教室を主宰し、また郷土料理家としての顔も持つ祖母千代乃が執筆した「さつま料理 歳時記」がベースになっていることです。県広報誌で連載した内容を加筆修正し、昭和48年に上梓。大正から昭和初期までの一般的なさつま料理や作り方をわかりやすく解説しています。編集には鹿児島県県民課、県広報協会、県地方紙学会、民俗学会、旧一高女同窓会が協力し、辺見京子女史の俳句、水野喜美子女史の墨書が添えられていることも見どころ。今は日本に数冊しか現存しない、鹿児島の食文化を知る上でも貴重な文献です。
郷土と食文化を
愛し続けた功績
代表の祖母である石神千代乃が古木家に伝えていたのは“旬の身近な食材を尊ぶこと”“季節のうつろいや行事を大切にすること”。「さつま料理 歳時記」の中にも、同様のメッセージがちりばめられています。郷土料理や風俗の研究家としての一面もあった祖母の研究は、後に南日本文化省や県民功労賞を授与されるまでに。祖母の研究を間近に見ていた創業者も、自然と薩摩郷土史と食文化というテーマに」日々向き合っていました。愛しい郷土の季節と食材のすばらしさを、料理というステージに披露し次の世代へと伝えていきたい、その想いは昔も今も変わることはありません。